PC管理の課題を解決!おすすめのPC管理ツール5選と導入ポイントをご紹介

テレワークの普及で社内外に散在するPCを手作業で管理するのは、情シスにとってもはや限界に近くなっています。アップデート漏れや情報漏えいリスクを抑えつつ、監査対応や工数削減を同時に叶える鍵がPC管理ツールです。この記事では、PC管理ツールの基本機能や選定ポイントを整理しながら、おすすめのPC管理ツールも紹介します。最適な一手で“見える化”と業務効率化を実現しましょう。 

※本稿は最新2025年7月時点の情報をもとにまとめているため、価格や仕様は今後変更される場合があります。導入検討時は公式サイトでの確認をおすすめします。  

目次[非表示]

  1. 1.PC管理とは? 
    1. 1.1.PC管理とIT資産管理の違い 
    2. 1.2.管理対象デバイスの範囲 
  2. 2.PC管理ツールはなぜ必要とされているのか? 
  3. 3.PC管理ツールの基本機能 
    1. 3.1.PC管理台帳・インベントリ 
    2. 3.2.パッチ適用・ソフト配布 
    3. 3.3.セキュリティ強化 
    4. 3.4.リモート操作 
    5. 3.5.ログ管理 
  4. 4.おすすめのPC管理ツール5選(フリーソフトもご紹介) 
    1. 4.1.SKYSEA Client View
    2. 4.2.MaLionCloud
    3. 4.3.LANSCOPE
    4. 4.4.Microsoft Intune
    5. 4.5.【OSS】Snipe-IT
  5. 5.失敗しない!PCツール選定の抑えるべき3つのポイント 
    1. 5.1.対応可能な範囲と将来拡張性 
    2. 5.2.コストパフォーマンスの高さ 
    3. 5.3.サポート体制と導入支援サービスの確認 
  6. 6.PC管理ツールを導入して、社内PCの”見える化”と情シスの業務効率化を実現 

PC管理とは? 

PC管理とは、社内で運用するクライアントPCやその中のデータを一元管理することです。PC端末などハードウェアだけでなく、インストールされているソフトウェアも含めて適切に管理することが重要になります。PC管理が適切に行われていないと、PCがウイルスに感染したり古いOS・ソフトの脆弱性が放置されたりして、情報漏洩など重大なリスクにつながる恐れがあります。

なお、IT資産管理と呼ばれるより広い概念との違いについては、次項で説明します。 


PC管理とIT資産管理の違い 

IT資産管理は、企業内にあるあらゆるIT機器やソフトウェア、ライセンス契約情報まで広く管理する取り組みです。それに対してPC管理は、IT資産管理の中でも主にPC端末に関する資産情報や利用状況を重点的に管理するものと言えます。 

例えば、IT資産管理ではサーバーやプリンター、ネットワーク機器なども対象になりますが、PC管理では社員が利用する社内外のPCとそのソフトウェア管理にフォーカスしています。要するにPC管理はIT資産管理の一部領域(クライアントPC管理)に特化したものであり、両者は目的は共通しつつ管理範囲が異なる点に留意が必要です。 


管理対象デバイスの範囲 

「PC管理」と言っても、実際に管理対象となるデバイスの範囲はツールによって様々です。基本はWindows搭載のデスクトップPCやノートPCですが、最近の製品はMacにも対応し、OSを問わない一元管理が可能なものが増えています。さらにクラウド型のPC管理ツールではスマートフォン(iOS/Android)やタブレットの管理機能を備えるものもあり、PC以外のモバイル端末も一括管理できます。 

また、製品によってはプリンターやHUBなどネットワーク機器の資産情報まで収集できるものもあり、社内のあらゆるIT資産を包括的に“見える化”できます。 


PC管理ツールはなぜ必要とされているのか? 

PC管理ツールが注目される背景には、セキュリティ強化と業務効率化のニーズがあります。各PCの管理を各従業員任せにしていると、セキュリティソフトやOSアップデートの更新漏れなどが起こりやすく、脆弱性を放置して攻撃の標的にされる危険性が高まります。PC管理ツールを導入すれば社内PCを統制し、こうした情報漏洩や不正アクセスリスクを低減することが可能です。 

また、テレワークの普及で社外から利用するPCが急増しても、一元管理によって少人数の情シスでも全端末の状況を把握・対応しやすくなります。 

さらに、資産台帳やログを自動で整備しておくことで、ソフトウェアライセンスの管理や内部監査への備えにも役立ちます。人的ミスや属人管理を排除し、セキュリティと運用効率を両立するためにPC管理ツールが必要とされています。 


PC管理ツールの基本機能 

代表的なPC管理ツールには、主に以下の基本機能が備わっています。それぞれの機能について順に説明します。 


PC管理台帳・インベントリ 

PC管理台帳では、資産情報が一覧表示され、端末の状態をひと目で把握できます。PC管理台帳(インベントリ)を自動で整備し、管理者が常に正確な資産情報を把握できるようにすることが基本機能の一つです。各PCのハードウェアスペックやOS・ソフトウェア情報など50項目以上のデータをエージェントで収集し、台帳に自動登録してくれます。既存のExcel台帳を取り込んだり、自動収集できない資産を手動追加したりすることも可能で、社内IT資産の「正確な全体把握」を実現します。 


パッチ適用・ソフト配布 

PC管理ツールでは各端末のWindowsアップデート適用状況やソフトウェア更新状況を一覧で把握でき、未適用の端末があれば管理コンソールから必要な更新プログラムを一斉配布して遠隔インストールさせることが可能です。社内PCを常に最新状態に保つことで、セキュリティホールを早期に塞ぎサイバー攻撃のリスク低減につながります。 

また、業務用ソフトウェアの新規配布やバージョンアップも一括リモート実行でき、各PCへの手動インストール作業を大幅に削減します。ソフト配布とパッチ適用を集中管理できるため、管理者はアップデート状況の抜け漏れを効率的にチェックできます。 


セキュリティ強化 

情報セキュリティ対策の強化もPC管理ツールの重要な役割です。各PC上の機密データのコピーや外部への持ち出しを制限するポリシーを適用し、不正な情報持ち出しを防止できます。万が一端末を紛失しても、管理者画面から遠隔でデバイスをロックしたり保存データを消去したりすることが可能です。 

さらに、許可されていないUSBメモリや管理外PCが社内ネットワークに接続された場合に即座に検知・遮断する機能や、危険な操作を自動検知して管理者にアラート通知する仕組みを備える製品もあります。PC利用におけるルール違反や不審な挙動をリアルタイムに察知し、多層的な防御でサイバー攻撃や内部不正のリスクを最小限に抑えられます。 


リモート操作 

リモート操作(リモートコントロール)機能も多くのPC管理ツールに搭載されています。管理者が自席から社員PCに遠隔接続し、画面共有やマウス操作を行うことで、利用者のITサポートやトラブル対応を迅速に実施できます。社員が不在でもPCにアクセスしてソフト設定やメンテナンスを行えるため、出張中の社員PCの設定変更や夜間帯の一括作業にも対応可能です。 

さらにWake On LAN機能を使って電源を遠隔ON/OFFしたり、決まった時刻に自動シャットダウン・再起動させたりといった電源管理が可能な製品もあります。物理的に離れた多数のPCを一括制御できるため、情シスの負担軽減に大きく寄与します。 


ログ管理 

PC管理ツールは各端末の操作ログ(利用記録)を自動収集・集中管理します。誰がいつどのPCで何を実行したかといった膨大なログデータから、社内ルールに反する操作だけを抽出して自動レポート化する機能も備わっています。

例えば、機密ファイルの社外持ち出しや不審なアクセスがあれば、すぐに管理者が把握可能です。蓄積されたログを解析することで、各PCの稼働状況を可視化して業務効率の改善や働き方の実態把握に役立てることもできます。証跡となる操作ログを残しておくことは、万一のトラブル発生時の原因究明や内部監査・コンプライアンス対応の面でも大きな効果を発揮します。 


おすすめのPC管理ツール5選(フリーソフトもご紹介) 

ここでは2025年現在、特におすすめのPC管理ツール5つをご紹介します。それぞれ機能や得意分野が異なるため、自社の規模・用途に合った製品選定の参考にしてください。最後に、フリー(無償)で使えるOSSツールも併せて取り上げます。 


SKYSEA Client View

SKYSEA Client View(スカイシー クライアントビュー)は、Sky株式会社が提供する国産の統合PC管理ソフトです。情報漏えい対策からIT資産運用まで網羅した豊富な機能が特徴で、オンプレミス版とクラウド版の両方が選択できます。特に大規模環境に強く、オンプレ版は最大5万台のPC管理に対応しており、2025年4月時点で23,469社・約1,233万クライアントの導入実績があります。定期的なバージョンアップで最新OSや新たな脅威にも迅速に対応し、組織の重要データを守りながらIT資産の安全な運用管理を支援します。 

サービスサイト:https://www.skyseaclientview.net/


MaLionCloud

MaLionCloud(マリオンクラウド)は、インターコム社のクラウド型PC管理サービスです。WindowsおよびMacのクライアント管理に対応し、オプションでスマートフォン・タブレットのMDM機能も追加できます。収集した操作ログのAI分析による勤怠状況の多角的な可視化や、勤怠管理システムとの連携機能など、働き方改革支援にも強みがあります。特にMac端末の操作制限機能に優れ、同種製品に比べ高いアドバンテージを持つ点が評価されています。

情報漏洩対策としてChatGPTへの書き込みログ収集にも対応しており、最新のリスクにも備えています。料金は100台規模で1台あたり月額900円程度(税別)とシンプルで、30日間の無料トライアルも提供されています。 

サービスサイト:https://www.intercom.co.jp/malion/cloud/


LANSCOPE

LANSCOPE(ランスコープ)は、エムオーテックス社が開発するエンドポイント管理ツールで、国内シェアNo.1を誇る定番製品です。オンプレミス版とクラウド版が提供されており、自社サーバ設置による運用かSaaSとしての利用かを選択できます。WindowsとMacの両OSに対応し、管理コンソールを英語表示に切り替えて海外拠点のPCも含めたグローバル管理にも適しています。IT資産管理・ログ監視・デバイス制御など総合力が高く、クラウド版ではスマートフォン(iOS/Android)のMDM機能も統合されています。

PC利用状況の見える化レポートによる働き方改善支援や、AI技術を活用した未知のマルウェア検知(ウイルス対策ソフトとの連携)など先進的な機能も備わっています。大企業から中小企業まで幅広く導入されており、必要ライセンス数に応じた柔軟な価格プランが用意されています。

サービスサイト:https://www.lanscope.jp/


Microsoft Intune

Microsoft Intune(マイクロソフト インチューン)は、Microsoft社が提供するクラウド型エンドポイント管理サービスです。Microsoft 365の一部として利用でき、Windows、macOS、iOS、Androidなどマルチプラットフォームのデバイスを一元管理できます。MDM(モバイルデバイス管理)とMAM(モバイルアプリ管理)の両機能を備え、端末の遠隔ロック/ワイプ、構成ポリシー配信、業務アプリの配布、Windows更新プログラムの制御など多彩な機能をクラウド上で提供します。オンプレミスのサーバは不要で、インターネット経由で社外のPCにも直接ポリシー適用できるため、テレワーク環境の管理にも最適です。Azure ADやMicrosoft Defenderと連携した高度な統制も可能で、大企業を中心に導入が進んでいます。 

サービスサイト:https://www.microsoft.com/ja-jp/security/business/microsoft-intune


【OSS】Snipe-IT

Snipe-IT(スナイプ・アイティー)は、オープンソースで提供されるIT資産管理ツールです。PCや周辺機器、ソフトウェアのライセンス情報、消耗品まであらゆる資産データをWeb上で一元管理できます。OSSであるためソフトウェアのライセンス費用は無料(初期サーバ構築費用のみ)で、社内サーバにインストールしてオンプレミス環境で利用することも可能です。資産の保証期限やライセンス期限が近付いた際にアラートメールを送る機能もあり、Excel台帳では難しい正確かつ漏れのない管理が実現できます。

標準では各PCの情報収集エージェント機能はありませんが、有志開発の追加ツールと連携させることでWindows PCのスペック情報やインストールソフトを自動連携する仕組みも構築可能です。無償ながら機能拡張性が高く、低コストで資産管理を強化したい企業や団体での導入が増えています。

サービスサイト:https://snipeitapp.com/


失敗しない!PCツール選定の抑えるべき3つのポイント 

対応可能な範囲と将来拡張性 

まず、自社の環境に対応可能なツールかどうかを確認しましょう。管理できるOSやデバイスの種類、管理拠点や台数の上限などが、自社の要件を満たすことが前提となります。将来的にMacやモバイル端末の管理が必要になる場合に備えて、後から機能を追加できる拡張性の高さも重要なポイントです。必要な機能を後から拡充できる柔軟な製品であれば、使わない機能に余計なコストを払う心配もありません。 

また、プリンターやHUBといったネットワーク機器の資産情報まで収集できる製品であれば、PC以外も含めた包括的な管理によってセキュリティ対策を一層強化できます。 


コストパフォーマンスの高さ 

次に、コストと得られる効果のバランスも検討しましょう。高機能な製品でも、自社の管理端末数に対して大幅にオーバースペックであれば、投資に見合った効果が得られない可能性があります。例えば、数十台規模の企業が数万台向けのエンタープライズ製品を導入すると、使い切れない機能にコストを払いすぎてしまうかもしれません。自社にとって必要十分な機能を備えたツールを選ぶことで、費用対効果を最大化できます。 

なお、ライセンス費用の課金方式(端末数課金、ユーザー数課金、買い切りライセンスなど)は製品によって異なるため、事前に見積もりを取り、トライアル期間中に総コストを試算して比較検討すると良いでしょう。 


サポート体制と導入支援サービスの確認 

最後に、提供ベンダーのサポート体制や導入支援サービスも確認が必要です。初めてPC管理ツールを導入する際は、エージェントソフトの全端末配布や各種初期設定など、対応すべき作業工程が多くあります。自社内のリソースだけでの導入に不安がある場合でも、ベンダーから設定代行やオンボーディング支援といった初期導入サービスを受けられれば安心です。 

また、導入後の問い合わせサポート窓口や、ソフトウェア更新時の支援内容についても事前に確認し、長期にわたり安定運用できるサービスかどうか見極めましょう。 


PC管理ツールを導入して、社内PCの”見える化”と情シスの業務効率化を実現 

PC管理ツールを導入することで、社内PC資産と利用状況の“見える化”が進み、情シス(情報システム部門)の業務効率化とセキュリティ強化を同時に実現できます。手作業のExcel台帳管理から脱却し、自動化された仕組みによりパッチ適用漏れなどを防止できるため、安心感が格段に高まります。ぜひ自社の実情に合ったPC管理ツールを選定し、社内PCの統制と情シス業務の効率アップを実現しましょう。 

(※本記事の内容は2025年7月現在の情報に基づいています) 


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