Macのサブスクとは?リースやレンタルとの違い、向いているケースも紹介
業務用デバイスとしてMacを採用する企業が増える中、購入に代わる手段として注目されているのが「サブスク(サブスクリプション)」です。初期費用をかけずに最新のMacを導入でき、月額で柔軟に利用できる点が魅力とされていますが、リースやレンタルなど、契約形態によって仕組みやコスト、運用上の負担も大きく異なります。実際のところ、自社にとって本当にサブスクが適しているのか、判断に迷う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、Macのサブスクの基本から導入のメリット・注意点、さらに向いているケースとそうでないケースまで、詳しく解説します。
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Macのサブスクとは?
Macのサブスクとは、Mac本体や関連ソフトウェアを月額で利用できるサービス全般を指します。法人・個人を問わず、購入せずに一定期間使える仕組みで、初期費用を抑えながら最新モデルのMacを活用できるのが特徴です。
Appleのアップグレードプログラムや、法人向けのリース契約、短期レンタルなど、サービス形態は多様です。契約期間や支払い総額、途中解約の可否などはプランにより異なるため、自社の利用目的や導入計画に応じた選定が重要です。返却時には初期化や付属品の確認が求められる点も押さえておきましょう。
リースやレンタルとの違いは?
Macのサブスクには「リース」「レンタル」「アップグレードプログラム」といった複数の形態があります。
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リース
法人向けに新品のMacを数年単位で提供する契約で、途中解約はできないことが多く、契約満了後に返却または条件付きで買取が可能です。
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レンタル
レンタル会社の在庫から必要な期間だけMacを借りる方式で、短期利用や台数変動に柔軟に対応できる一方、機種が中古の場合もあります。
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アップグレードプログラム
AppleCare+付きの分割払いをベースにした個人向けプランで、一定期間使用後に返却すれば残債が免除され、新機種に乗り換えられる仕組みです。
いずれも初期費用を抑えつつMacを導入できる点は共通していますが、契約期間や費用、返却条件などに違いがあるため、自社の利用目的やIT運用方針に応じて適切な方式を選ぶことが重要です。
法人でMacをサブスクで導入するメリット3選
1.キャッシュフローの安定化、総コストを最適
法人がMacをサブスク契約で導入する最大のメリットは、資金繰りが安定し総コストの最適化が図れることです。購入の場合、一度に多額の資金が必要ですが、リース契約なら月額費用を経費計上していく形となり、支出を平準化できます。月々定額の支払いでキャッシュフローを維持できるため、年度予算の管理がしやすくなります。
また、残価設定型のプランでは、契約終了時にデバイスの下取り前提で月額が抑えられており、使い切らない資産を抱えるリスクも低減できます。例えばMacBook Air (約189,000円) を2年間使用した場合、月額約6,480円×24ヶ月=約155,520円の支払いで済みます*。
一見購入より総額が抑えられますが、契約満了後に手元に資産が残らない点も考慮する必要があります。ただ、自社で資産管理や減価償却をする手間が省け、リース料やレンタル料は経費処理できるため税務上も有利になるケースがあります。事業資金を効率よく活用しつつIT機器コストを最適化できる点は大きな利点です。
*2025年7月現在の金額になります
2.定期的な入れ替えによるセキュリティ性の向上
サブスク形式でMacを導入することで、定期的なデバイスのリプレイス(入れ替え)が前提となります。常に最新モデル・最新のOSのMacを利用できるため、古い機種を使い続ける場合に比べセキュリティ面で有利です。macOSは新しいバージョンがリリースされると数年で旧モデルのサポートが終了しますが、短いサイクルでデバイスを更新していけば常にサポート対象内の安全な環境を維持できます。
また、ハードウェア故障のリスク低減にもつながります。古くなったMacを使い続けるとバッテリー劣化や部品故障によるトラブルが増えますが、リース満了時に最新機種へ入れ替えてしまえば、そうしたリスクも回避可能です。
常に新しいMacを社員へ配布することは、社員の生産性向上だけでなく、情報漏えいやウイルス感染の防止といったセキュリティ水準の向上にも寄与します。定期的なデバイスの更新を仕組み化できる点は、サブスク導入の大きなメリットと言えるでしょう。
3.運用管理とサポートの一体化による IT 部門の工数削減
Macをサブスクで導入すると、デバイスの調達から運用サポートまで一括で任せられるサービスも多く、社内IT担当者の負担軽減につながります。例えば、サブスク提供企業がキッティングや配送、故障交換対応まで請け負うケースもあります。
自社でデバイスを購入する場合、モデル選定から購入手続き、資産管理、故障対応、廃棄処分まで情シス部門が対応する必要がありますが、サブスク利用ならそれらの工程をアウトソーシング可能です。特に、複数の拠点やリモートワーカーにMacを支給している企業では、郵送での受け渡しやサポート対応に手間がかかりますが、サブスクサービス側で代行してくれる場合があります。
端末管理ツール(MDM)の導入支援や、問い合わせ対応のサポート窓口が含まれるプランもあり、運用管理とサポートを一体化できる点はIT部門の工数削減に有効です。
このように外部サービスを活用してIT業務負荷を軽減できるメリットは大きいでしょう。
参考記事:PCのサブスクリプション?業務用デバイスをDaaSで利用するメリット
Macのサブスクが向いているケース
Macのサブスク利用が特に効果的と言えるのは、以下のようなケースです。
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常に最新のMacを使いたい場合
頻繁に新モデルへ買い替えたい場合や、常に高性能Macが必要なクリエイティブ職の場合。
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初期コストを抑えて導入したい場合
一度に大きな出費を避け、月額料金に平準化することで事業を開始したいスタートアップ企業など。
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利用期間や台数を柔軟に調整したい場合
プロジェクト期間限定でMacが必要なときや、社員の増減に合わせてデバイスを増設・返却する可能性がある場合。短期レンタル等なら契約変更も柔軟に対応できます。
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IT管理やサポートをアウトソーシングしたい場合
情シス人員が不足している場合、端末管理からヘルプデスクまでまとめて任せられるサービスで社内リソースを節約できます。
Macのサブスクが向いていないケース
一方で、次のような場合はMacのサブスクよりも購入や他の手段が適しているかもしれません。
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長期間同じMacを使い続けたい場合
5年以上使うならサブスクより買い切りの方が総コストを抑えられます。
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手元に資産として残したい場合
Macを資産として手元に残したい場合もサブスクは不向きです。
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利用頻度が低い場合
ほとんど使わないのに毎月料金を支払うのは無駄です。利用頻度が低いなら、中古を買うか必要な時だけレンタルした方が賢明です。
法人でMacをサブスクで導入する際の3つの注意点
1.長期的には購入より総支払額が高くなる可能性
Macのサブスク利用は短期的な費用負担を軽減できますが、長期で見ると購入より割高になる恐れがあります。月額料金にはサービス提供会社の利益や金利相当分が含まれており、契約期間が長引くほど支払総額がMac本体の価格を上回るケースが少なくありません。例えば、3年以上同じMacを使い続ける予定なら、毎月のサブスク料よりも購入+保有の方がトータルコストは安くなる傾向があります。
また、サブスク契約を更新し続ける限り支払いは終わらないため、使っていない期間が発生すると費用対効果が下がってしまいます。導入時は月額の安さだけで飛びつかず、契約期間全体での総費用を試算した上で、本当にメリットが出る期間利用するか見極めることが大切です。
2.返却時の作業負荷と追加費用リスク
サブスク契約では契約終了時にMac本体を返却する必要があります。その際、データの消去や初期化作業、資産管理台帳からの削除、付属品の欠品確認など、返却準備に工数がかかります。特に複数台のMacを一度に入れ替える場合、データバックアップと消去手順を誤らないよう注意が必要です。
また、返却されたMacに損傷や著しい汚れがある場合、原状回復費用や修理代金を請求される可能性があります。画面のひび割れや筐体の破損、付属充電器の紛失などは追加料金の対象です。
こうしたリスクを避けるため、日頃から丁寧にデバイスを扱い、返却前にはmacOSの「消去アシスタント」機能などで確実にデータを消去しておきましょう。返却時のチェックリストを作成して備品の漏れや設定残存がないか確認することも重要です。
3.契約期間の縛りと中途解約ペナルティ
サブスク契約には契約期間の縛りがあり、途中解約が難しい点に注意が必要です。たとえば3年リース契約を結んだ場合、原則として契約満了まで月額料金の支払い義務が続きます。利用途中で「やはり台数を減らしたい」「別の機種に変えたい」といった事情が生じても、期間内に解約すると残余期間の料金一括支払いなど高額なペナルティが発生するケースが一般的です。
事業環境の変化で予想より早くMacが不要になるリスクも考えられるため、契約前に最低限この期間は使い続けるという見通しを立てておくことが大切です。
また契約台数の減少や増加に柔軟に対応できるか(例えば追加発注や途中返却の可否)も事前に確認し、将来の変動に備えましょう。
Macのサブスクを活用して、ITコストの最適化を実現しよう
Macのサブスクには、初期費用ゼロで最新のMac環境を手に入れられる点や、継続的なサポートが受けられる点など、多くの魅力があります。一方で、長期利用時の割高感や契約上の制約もあるため、自社のニーズに合ったプランを選ぶことが重要です。
本記事で紹介したメリット・注意点を参考にしながら、購入とサブスクのどちらが得かを慎重に見極めてください。その上で、提供各社のサービス詳細(料金体系・保証内容・対応機種など)を比較検討しましょう。
ソフトウェアに関しても、Microsoft 365などのサブスク型を利用するか、買い切り型のOfficeを導入するか定期的に見直すことで無駄なコストを防げます。月額課金のサービスが増えると管理が煩雑になるため、サブスク管理アプリで支出を一元管理し、不要なサービスはこまめに解約するなどの工夫も効果的です。
Macのサブスクを上手に活用し、貴社のITコスト最適化と業務効率化を実現しましょう。
MacのリースもUTORITOにおまかせ!
株式会社Tooでは、Macの調達からキッティング、運用、返却まで任せられるアウトソーシングサービス「UTORITO」を提供しています。
UTORITO の特徴の一つである Apple Financial Services (AFS)という残価設定型のオペレーティングリースを活用することで、トータルコストを抑えて最新のMacを手軽にリースすることができます。
また、Apple Financial Services (AFS)を活用し、デバイスの使用期間を予め決めておくことで、デバイスの管理・運用まで、LCM(ライフサイクルマネジメント)を円滑にサポートできることもUTORITOの強みの一つです。
さらに、UTORITOには保守・修理費が含まれているため、基本的に追加費用は発生しません。
参考記事:ライフサイクルマネジメント(LCM)サービスとは?企業のIT機器運用管理をサポート
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