リースアップパソコン(中古パソコン)の評判は?流通までの流れと注意点を紹介

近年、コストを抑えてパソコンを入手したい個人ユーザーや小規模事業者の間で、「リースアップパソコン」に注目が集まっています。リースアップパソコンとは、企業や官公庁などで一定期間リース契約で使われ、契約満了後に返却された中古パソコンのことです。

「リースアップパソコンは壊れやすいのでは?」と不安に思う声もありますが、実際には企業のIT担当者による定期メンテナンスや一括管理のもとで使用されていたケースが多く、安定した良品が多い傾向にあります。ただし、数年間使われた中古品である以上、バッテリーの劣化や性能の陳腐化など注意すべきポイントも存在します。 

本記事では、リースアップパソコンの基本や市場に流通するまでの流れ、メリット・デメリット、選び方のコツなどを解説します。品質と価格のバランスを見極め、失敗しない中古パソコン選びの参考にしてください。 

目次[非表示]

  1. 1.リースアップパソコンとは? 
  2. 2.リースアップパソコンが流通するまでの流れ 
    1. 2.1.1.リース期間満了と返却手続き 
    2. 2.2.2.専用センターへの入庫・受入検品 
    3. 2.3.3.データ消去 
    4. 2.4.4.整備・クリーニング 
    5. 2.5.5.中古市場へ流通 
    6. 2.6.6.使用不能なパソコンはリサイクルへ 
  3. 3.リースアップパソコンの料金相場 
  4. 4.リースアップパソコンを選ぶ際の注意点 
  5. 5.リースアップパソコンの失敗しない選び方 
    1. 5.1.用途を洗い出す 
    2. 5.2.最低スペックを決める 
    3. 5.3.店舗・販売会を比較する 
    4. 5.4.現物・保証内容を必ず確認 
    5. 5.5.初期設定&バックアップを徹底 
  6. 6.リースアップパソコンでコストパフォーマンスと安心を両立しよう 
  7. 7.リースアップパソコンについてよくある質問 


リースアップパソコンとは? 

リースアップパソコンとは、企業や自治体などがリース契約で一定期間使用し、契約満了後に返却されたパソコンのことです。リース期間は一般に3~5年程度で、満了時にパソコンはリース会社へ返却されます。返却後はデータ消去やクリーニングなど専門業者での整備を経て、中古市場に流通します。 

一般の中古パソコンとの違いは、前の所有者が法人である点です。多くの場合、企業内の情シス担当者の管理下で使われ、定期メンテナンスや故障対応が行われています。そのためジャンク品など訳アリ中古に比べ、状態は良好なケースが多い傾向にあります。 

リースアップ品のメリットは、何より新品購入よりも価格が安い点です。同程度の性能の新品のパソコンに比べ、コストを削減できます。さらに法人向けモデルが多く、耐久性に優れた機種が中心です。一方、デメリットとして、最新機種ではないこと、使用による傷やバッテリー劣化があること、そしてメーカー保証が切れていることが挙げられます。

短所も踏まえて、自分の用途に合うか検討することが大切です。 


リースアップパソコンが流通するまでの流れ 

企業で使われたパソコンが中古市場に出回るまでには、以下のような段階を踏みます。 

1.リース期間満了と返却手続き 

リース契約の期間が終わると、借用企業はパソコンをリース会社へ返却します。契約満了時には社内で使用データの削除や初期化を行い、所定の返却手続きを経てパソコンを引き渡します。多くの企業は、新しいパソコンへの更新タイミングに合わせてリースアップ品を返却し、順次入れ替えを行っています。

なお、契約内容によっては満了時にパソコンを買い取ってそのまま使い続ける選択肢が用意されている場合もありますが、多くの企業では新しい機種に入れ替えるため返却するケースが一般的です。 

返却時にはパソコン本体を保護材で梱包し、複数台をまとめて専用の輸送箱やパレットでセンターへ発送します。性能の陳腐化やメーカー保証切れを見越し、4〜5年ごとに刷新する企業が多く、このタイミングで旧パソコンが大量に返却されます。 


2.専用センターへの入庫・受入検品 

返却されたパソコンはリース会社や提携業者の専用センターに集められます。 

まず、入庫したパソコンの型番や資産番号を確認し、付属品(ACアダプターなど)の有無や外観の破損がないか受入時の検品が行われます。また、筐体に貼付された資産管理用シールの除去作業など、次工程に備えた準備もここで行われます。大量の返却品が集まるため、倉庫には所狭しとパソコンが積み上げられます。 

検品時にはバーコードスキャンで機器情報を読み取り、返却リストとの照合も行われます。検品で外装破損や付属品欠品が見つかれば記録され、後の整備工程で対処されます。効率化のため、各パソコンにIDラベルを貼付しトレイに載せて、流れ作業で検品が進められます。 


3.データ消去 

次に、内部ストレージのデータ消去作業が実施されます。返却前に利用企業側で初期化済みの場合も、万が一の情報漏えいを防ぐため専門ソフトによる上書き消去やストレージ交換が徹底されます。機密性の高いデバイスでは、単にソフト消去するだけでなくストレージ自体を物理的に破壊・交換することも徹底しています。近年は情報漏えい対策の重要性が高まっていることもあり、このデータ消去工程は特に厳格に実施されています。

データ消去はセキュリティ管理された専用ルーム内で行われ、許可されたスタッフのみが担当します。作業完了後には消去ログ(記録)が残され、パソコンごとに証跡管理も行われます。 


4.整備・クリーニング 

データ消去後、パソコンの動作チェックやクリーニングなど整備作業が行われます。 

キーボードやポート類が正常に機能するか確認し、不良部品があれば交換します。HDD搭載機種では高速化と信頼性向上のためSSDへ換装されるケースも一般的です。必要に応じてOSの再セットアップやドライバー更新も行い、すぐ使える状態に整えます。 

整備後、外観や動作品質に応じてランク分け(Aランク・Bランクなど)の評価が行われる場合もあります。ノートパソコンではバッテリーの劣化具合も確認され、著しく性能が低下したものは「バッテリー性能低下」など注意喚起の表示を行うなどの対応も取られます。内部のホコリはエアダスターで吹き飛ばし、筐体外装はアルコールや専用洗剤で拭き上げられます。キーボードの隙間やポート周りも綿棒などで丁寧に清掃され、可能な限り新品に近い状態にリフレッシュします。 


5.中古市場へ流通 

整備を終えたリースアップパソコンは、中古パソコン市場へ供給されます。リース会社自ら中古販売サイトで直販する場合もあれば、中古PC販売店やオークション業者に卸される場合もあります。官公庁品を中心に、各地のイベント会場で一般個人向けに販売される「パソコン有償譲渡会」が開催されるケースも見られます。 

企業から一括で大量に発生するため、同一モデルがまとまった台数市場に出回るのも特徴です。流通する機種は法人向けモデルが中心で、たとえばThinkPadやLet's Note、Dynabook、NEC Mateなど企業向けシリーズのパソコンが主流です。中古パソコン販売店では専用サイトにスペック・状態とともに商品が掲載され、一般消費者だけでなく企業のまとめ買いニーズにも応えています。 

また、法人や教育機関向けに、同一機種を複数台セット販売するケースもあります。必要な台数を揃えやすい点もリースアップ品流通のメリットです。


6.使用不能なパソコンはリサイクルへ 

動作不良が著しいデバイスや故障で再生が難しいデバイスは、中古販売には回されずリサイクル処理されます。パソコンの廃棄は資源有効利用促進法に基づきメーカー回収・再資源化が義務付けられており、専門業者による解体・資源リサイクルが行われます。再利用可能な部品は取り外して修理用ストックに回すなど、有効活用される場合もあります。 

このように、不用パソコンの適正処理を行うことで、電子廃棄物の削減と資源リサイクルによる環境負荷の軽減にも貢献しています。なお、これらの廃棄処理はPCリサイクル法(資源有効利用促進法)に基づきメーカーや自治体が適切に実施しています。

近年はSDGsの観点からもICT機器のリユース・リサイクルが推進されており、不要になったパソコンの適正処分は企業の社会的責任となっています。リースアップパソコンの有効活用は、こうした電子廃棄物削減にも繋がります。 


リースアップパソコンの料金相場 

リースアップパソコンの価格は、スペックやコンディション、販売ルートによって幅があります。一般的には、数年前のビジネス向けノートパソコン(例:Core i5・メモリ8GB・SSD搭載クラス)なら2〜4万円前後で販売されていることが多いです。性能や年式がもう少し古ければ1万円台、10年前後の極端に古い機種では1万円を下回る格安品も見られます。 

一方、ハイスペックなモデルや使用年数の浅い中古品では5〜6万円以上の値が付く場合もあります。例えばメモリ16GB搭載の高性能ノートや、リース期間が短く比較的新しい機種は、中古とはいえ数万円台後半となることもあります。 

このように価格帯は広いですが、新品時と比較すれば大幅に割安なのは共通しています。同程度の作業がこなせるパソコンを新品で購入するより、リースアップパソコンなら半額以下で入手できるケースも珍しくありません。自分が許容できる予算内で、必要十分なスペックのモデルを探しやすい点もリースアップ品の魅力と言えます。 


リースアップパソコンを選ぶ際の注意点 

リースアップパソコンを検討する際は、以下の点に注意しましょう。 

  • スペック
    現行モデルより性能が劣る場合があります。特にCPU世代が古いとWindows 11に非対応の場合もあるため、必要な性能を満たすか確認しましょう。 
  • バッテリー
    長期間の使用で劣化しています。必要に応じて交換を検討しましょう。 
  • 外観の状態
    傷やキーボードのテカリなど使用感は避けられません。状態ランクや写真を確認し、気になるなら店頭で実物を確認しましょう。 
  • 保証
    メーカー保証は切れています。販売店独自の初期不良対応や保証期間があるか事前に確認しましょう。(オークション等は保証なし) 
  • ソフトウェア
    Windows OSは搭載されていますが、Officeなどのソフトは付属しません。必要に応じて別途用意する必要があります。 
  • 耐用年数
    新品より使用年数を経ている分、寿命が短く故障リスクも高まります。重要データはこまめにバックアップしましょう。


リースアップパソコンの失敗しない選び方 

中古パソコン選びで失敗しないためには、事前の準備とチェックが肝心です。リースアップパソコンを購入する際、以下のステップで検討すると、自分に合った一台を見極めやすくなります。 

用途を洗い出す 

まずはパソコンを何に使いたいのか、用途を明確にしましょう。メールや文書作成、ウェブ閲覧が中心なのか、プログラミングや動画編集、3Dゲームなど高負荷の作業をするのかによって、必要なスペックが大きく異なります。リースアップ品は主にビジネス用途向けモデルが多いため、一般的な事務作業や学習用途であれば問題なくこなせる場合がほとんどです。 

しかし、高度なグラフィック処理や最新ゲームをしたい場合は、リースアップパソコンではスペック不足になる可能性があります。自分のニーズを洗い出し、「どのような作業に使うか」をはっきりさせておきましょう。 

あわせて持ち運びの頻度も考慮しましょう。自宅据え置きで使うなら多少重めの大型モデルでも構いませんが、通学・通勤で持ち歩くなら軽量なモバイルノートが適しています。


最低スペックを決める 

用途に応じて、満たすべき最低限のスペック条件を決めます。「この性能があれば自分の作業は快適にできる」というラインを設定しましょう。 

例えばOfficeソフトやブラウジングが中心なら、Core i5程度のCPU(できれば第8世代以降)と8GB以上のメモリ、SSD搭載が一つの目安になります。より快適さを求めるならメモリ16GB搭載機や上位CPU(Core i7など)を検討すると良いでしょう。 

特にWindows 11を使いたい場合は、第8世代以降のCPUなど対応要件を満たす機種に絞ることが重要です。逆に、予算重視で多少動作が緩慢でも構わないなら、第5世代くらいまで遡った低価格機種も選択肢に入ります。こうした条件を踏まえつつ、動画編集や3DCG制作など高負荷作業にはGPU搭載の高性能モデルが必要です。このような用途では、対応するリースアップ機種の選択肢が限られることに注意しましょう。 


店舗・販売会を比較する 

購入先ごとにメリット・デメリットが異なるため、特徴を押さえておきましょう。 

中古PCショップ(通販・実店舗)は、豊富な在庫から選択可能で、動作保証やサポートが手厚いのが強みです。価格も適正で、実際の利用者から「届いた品が想像以上に綺麗だった」「初期不良対応が迅速」といった高評価の声もあります。 

PC譲渡会(イベント販売会)は、官公庁や企業払い下げPCの即売会です。現物を自分の目で確認して購入でき、その場で持ち帰れるのが利点。ただしスペックの古い機種が混在し、割安に見えて実は他店の中古相場と大差ないケースもあります。 

ネットオークション・フリマ(ヤフオクやメルカリ)など個人間取引では、状態次第で相場より格安な掘り出し物が見つかる可能性があります。しかし、出品者によって品質や対応にばらつきが大きく、基本的に保証がついていないためリスクも伴います。パソコンに詳しくない人にはあまりおすすめできません。 


現物・保証内容を必ず確認 

候補のパソコンが決まったら、購入前に現物の状態と保証内容をしっかり確認します。 

店舗やイベント会場で直接購入する場合は、できれば電源を入れて動作確認させてもらい、画面表示やキーボード入力、各種ポートの動作などに問題がないかチェックしましょう。外観の傷やキーボードのすり減り具合も実物で確認できると安心です。また、付属品(電源アダプターやケーブル類)が揃っているかも要確認ポイントです。 

通販サイトで購入する場合は、掲載写真や商品説明をよく読み、気になる点があれば問い合わせて不明点をなくしておきましょう。あわせて、初期不良時の対応や保証期間の有無についても確認が必要です。
​​​​​​​万が一届いた後に不具合が見つかった場合に交換・返金対応してもらえるか、保証は何日間あるのかといった点を購入前に把握しておきましょう。特に到着後すぐは念入りに動作テストを行い、問題があれば早めに連絡することが大切です。 


初期設定&バックアップを徹底 

無事にリースアップパソコンを入手できたら、最初に初期設定と環境整備をしっかり行いましょう。購入直後はOSやソフトウェアのアップデートを適用し、最新の状態にします。中古とはいえ初期化済みで引き渡されているため、そのまま使い始めることも可能ですが、安全のためWindows Updateの実行やウイルス対策ソフトの導入は念入りに行うべきです。なお、Officeソフトなど必要なアプリケーションは付属していないため、別途インストールして環境を整えましょう。 

さらに、重要データのバックアップ体制も整えておきます。中古パソコンは新品より故障リスクが高い可能性もあるため、大切なデータは必ず外部ストレージやクラウドに定期的にバックアップを取る習慣を付けてください。万一ストレージ故障などが起きても、バックアップがあれば被害を最小限に抑えられます。 


リースアップパソコンでコストパフォーマンスと安心を両立しよう 

リースアップパソコンは型落ちであることや経年劣化による性能の限界は避けられませんが、本記事で紹介したポイントを押さえて正しく選べば、低価格で手に入り、一定の信頼性も期待できます。 

導入後は、定期的なメンテナンスやバックアップを欠かさず行い、長く快適に使用できるよう心がけましょう。判断に迷った場合は、中古PC専門店に相談したり、自分なりのチェックリストを活用したりすることで、納得のいく導入ができるはずです。リースアップパソコンを活用して、コストパフォーマンスと安心を両立しましょう。 


リースアップパソコンについてよくある質問 

Q: リースアップパソコンは壊れやすくありませんか? 
A: 企業のIT管理下で使われていたため、むしろ安定した良品が多い傾向です。ただし中古品なのでバッテリーの劣化など注意は必要です。 

Q: ゲームや動画編集にも使えますか? 
A: 基本的にはオフィス業務向けスペックのPCが中心です。3Dゲームや高度な動画編集には性能不足の場合が多く、専用GPUが必要な作業には不向きです。 

Q: リースアップパソコンはあと何年くらい使えますか? 
A: 機種や使用状況によりますが、リースアップで出回るPCの多くは使用開始から3〜5年経過しています。通常の利用であればあと数年程度は問題なく使えるケースが多いですが、消耗品の交換やOSアップデートを行いながら使うことで寿命を延ばせます。ただし、新品と比べ故障リスクは高くなるため、常にデータのバックアップを取るなど備えておきましょう。 

Q: どんなメーカーのパソコンが多いですか? 
A: 主に法人向けモデルを手がける国内外の大手メーカー製PCです。具体的には富士通、NEC、Dynabook、HP、Dell、Lenovoなど、ビジネス向けシリーズのパソコンが中心となっています。 


CONTACT

デバイス運用の煩雑な業務を
UTORITOにアウトソーシングしませんか?

\今ならキッティング作業の効率化・自動化等、情シス業務の負担軽減に関する完全解説ガイドを限定配布中!/

まずはお気軽にご相談(無料)

5分でわかる!UTORITO

お電話でのお問い合わせはこちら

平日10:00~17:00