法人向けパソコンリースの料金相場は?レンタル・購入の違いと契約の流れを解説
企業で使用する業務用パソコンは1台あたり数万~数十万円と高額なため、まとめて数十~数百台導入する場合、初期費用が数百万円規模にのぼることも珍しくありません。コスト負担の大きさから導入をためらう企業も多い中、近年注目されているのが法人向けのパソコンリースです。月額定額のリースを活用すれば、最新パソコンを少ない初期コストで導入できるため、IT予算の平準化にもつながります。
本記事では法人向けパソコンのリース費用の相場を中心に、レンタル・購入との違いや契約の流れ、利用時の注意点まで解説します。パソコン調達の際の判断材料にぜひお役立てください。
目次[非表示]
- 1.法人向けパソコンリースの料金相場と月額料金の目安
- 2.法人向けパソコンリースの料金相場から見る購入やレンタルとの違い
- 2.1.1. 初期費用
- 2.2.2. 月額ランニングコスト
- 2.3.3. 総支払額(3〜5年使用した場合の目安)
- 2.4.4. コスト変動リスクと途中解約ペナルティ
- 2.5.5. 保守・修理・廃棄など“隠れコスト”
- 3.法人向けパソコンリース利用の流れ
- 3.1.1. リース会社の選定・見積もり依頼
- 3.2.2. 審査の申請と契約締結
- 3.3.3. デバイスの発注・納品
- 3.4.4. セットアップと利用開始
- 3.5.5. 契約期間の満了・パソコンの返却
- 4.法人向けパソコンリースを利用する際の注意点
- 4.1.途中解約ができないリスクの認識
- 4.2.費用総額と内訳の確認
- 4.3.対象デバイスと調達条件の制限
- 4.4.故障・破損時の対応
- 4.5.リース満了時の返却準備
- 5.法人向けのパソコンリースを賢く活用してITコストを最適化しよう
- 6.MacのリースはUTORITOにおまかせ!
法人向けパソコンリースの料金相場と月額料金の目安
法人向けパソコンリースを利用した場合、一般的には、1台あたり月額で約3,000~5,000円程度が料金の相場となっています。リース契約は通常2年以上の期間で結ばれることが多く、例えば3年契約では総額約10.8万~18万円、5年契約では総額で18万~30万円ほどを支払う計算になります。このように月額料金はパソコンのスペックや契約年数によって幅がありますが、標準的なスペックの法人向けノートパソコンであれば上記範囲が一つの目安になります。
リース料にはパソコン本体の代金に加え、リース会社の金利分(リース料率)や動産総合保険料、保守サービス費用、手数料なども含まれています。しかし、それらをまとめても月額3,000~5,000円程度に収まるケースが多く、企業にとって負担しやすい金額設定になっています。月額費用が固定されているため予算計画が立てやすい点もメリットです。
一方で、契約期間中の総支払額だけ見ると「購入した方が安いのでは?」と感じるかもしれません。しかし、リースでは故障時対応や廃棄処分の手間を任せられるため、単純に支払額の大小だけで判断できない側面もあります。
法人向けパソコンリースの料金相場から見る購入やレンタルとの違い
パソコンの調達方法として、リース以外に購入やレンタルも検討対象になります。それぞれコスト構造が異なるため、ここでは5つのポイントに分けてリースと購入、レンタルの違いを比較してみましょう。
1. 初期費用
まず大きな違いとして挙げられるのが初期費用(導入時に必要となる支払い)です。
購入の場合、パソコン本体代金を最初に一括で支払う必要があります。必要台数が多い場合、導入初期にまとまった資金が出て行くためキャッシュフローへの負担が大きくなります。例えば1台15万円のパソコンを100台購入すれば単純計算で1,500万円の初期投資となり、企業規模によっては無視できない出費です。実際、多くの企業でノートパソコンの導入が進む中、コスト面で二の足を踏むケースもあります。
これに対してリースの場合、導入時の初期費用を大幅に抑えられるのが大きな利点です。基本的に契約時にまとまった代金を支払う必要はなく、リース会社との契約手数料や初回月額料金程度でスタートできます。パソコンの所有権はリース会社にあるため固定資産計上も不要で、設備投資による資金繰り悪化を避けられます。
同様にレンタルも初期費用はほとんどかからず、月額料金の支払いで利用を開始できます。購入のような多額の一括支払いが発生しないため、導入時のハードルはリース・レンタルの方が格段に低いと言えます。
2. 月額ランニングコスト
次に月々のランニングコストの違いを見てみましょう。
購入した場合、パソコン本体に関する月々の支払いはありません。一度購入してしまえば、リース料やレンタル料のような定期的な出費は発生しない点が特徴です(ただし保守契約費用や減価償却費など間接的なコストは別途かかります)。
リースの場合, 契約期間中は毎月決まったリース料を支払います。その額は契約時に確定し、基本的に一定額の固定費として計上されます。前述の通り相場は月額3,000~5,000円程度で、契約期間中はこの範囲内の定額料金が発生します。
一方、レンタルの場合はリースより月額料金が割高で、1台あたり月額6,000~12,000円程度が一般的な相場です。特に短期レンタルになるほど1ヶ月あたりの換算料金は高くなる傾向があり、例えば1ヶ月~数ヶ月のスポット利用では月額8,000~12,000円前後に跳ね上がるケースもあります。このようにレンタルは柔軟性と引き換えにランニングコストが高めに設定されています。
整理すると、毎月の出費に関しては「購入はゼロ、リースは中程度、レンタルは高め」という違いがあります。長期で見るとリースの月額費用はレンタルに比べて割安ですが、その分契約期間が長く縛られる点に留意が必要です。レンタルは月額こそ高いものの利用期間を自由に調整できるため、必要な期間だけ利用して不要になればすぐやめられる利点があります。自社の利用期間や必要台数に応じて、月々の負担と柔軟性のバランスを考慮することが大切です。
3. 総支払額(3〜5年使用した場合の目安)
続いて、一定期間使用した場合の総支払額を比較してみます。企業で業務用デバイスを導入する場合、3~5年程度で入れ替えるケースが多いため、その期間でそれぞれの調達方法にどれくらい費用がかかるか見ていきましょう。
購入の場合、最初に支払う本体代金がそのまま総費用となります。例えば1台あたり15万円のパソコンを購入した場合、3年でも5年でも支払額は15万円(+保守等のオプション費用)です。使用後には資産として手元に残りますが、中古処分するにしても購入時の支払い額以上のコストは基本的にかかりません。
リースの場合、前述の相場レンジから計算すると3年で約10.8万~18万円、5年で18万~30万円ほどが1台あたりの総支払額になります。仮にパソコン1台の新品購入価格が15万円だったとすると、5年リースでは支払い総額が新品購入額をやや上回る可能性が高い計算です。実際、リース契約年数によっては購入よりも高額になる点はリースのデメリットとして指摘されています。一方でリースの場合、後述するように廃棄処理や故障対応のサービスが含まれるメリットもあるため、単純な金額比較だけで判断しないよう注意が必要です。
レンタルの場合、長期間利用するとコスト面では最も割高になります。例えば2年間レンタルした場合、総額16.8万~28.8万円(1台あたり)程度と、同期間のリース利用に比べて10万円以上も高くなるケースがあります。レンタルは期間に応じて料金が変動し、長く借りるほど累計の支払い額が大きく膨らみます。そのため、3年以上の長期利用であれば購入が最も割安で、次いでリース、レンタルは割高になる傾向が明確です。
以上を踏まえると、「長期間使うなら購入またはリース、短期間のスポット利用ならレンタル」というのがおおまかな指針になります。ただし、リースには廃棄や保守の手間削減といった金額以上のメリットもあります。総支払額だけを見ると購入有利に感じますが、後述の隠れコストまで含めて総合的に判断することが重要です。
4. コスト変動リスクと途中解約ペナルティ
コスト面の比較で忘れてはならないのが、必要台数や利用期間の変化に対する柔軟性です。業務用デバイスの必要数は事業拡大・縮小に伴い変化する可能性があります。その際のコスト変動リスクと、リース契約の場合の途中解約ペナルティについて確認しましょう。
リースでは一度契約したら原則途中解約できない点に注意が必要です。契約期間中に「やはりパソコンが不要になった」「台数を減らしたい」と思っても、リースは契約満了まで支払い義務が続きます。どうしても中途解約したい場合は残存期間分のリース料相当の違約金を支払う必要があり、経済的な負担が大きくなります。そのため、「リース期間内に業務内容が変わってパソコンが余ってしまった」という事態にならないよう、導入計画段階で将来的な台数見通しを立てておくことが重要です。
レンタルは比較的柔軟で、不要になれば契約期間の途中でも返却しやすい傾向があります。レンタル会社によりますが、利用した分だけ支払えば契約を終了できる場合が多く、極端な違約金は発生しにくいです。借りている途中で返却しても、未利用期間の料金を清算するだけで済むケースが一般的です。そのため、先行き不透明なプロジェクトや一時的な増員対応など、利用期間が読みにくい場合にはレンタルの方がリスクが低いと言えます。
購入の場合は契約という概念がないため途中解約の問題はありません。ただし、購入後に使わなくなったパソコンが発生した場合、その分のコストは回収できず無駄になる可能性があります。未使用のパソコンを社内在庫として抱えるのも管理コストがかかりますし、売却しても購入額の一部しか回収できません。つまり、購入は初期投資こそ必要ですが、その後の状況変化によるコスト変動リスクは利用者側がすべて負う形になります。
以上をまとめると、リースはコストを固定できる反面、柔軟性に欠け途中解約時のリスクが高い方法です。契約期間を通じて安定してデバイスを使い続ける見込みがある場合に適しています。
一方、レンタルはコストとしては割高でも需要変動への対応がしやすい方法で、不要になればすぐ解約できる安心感があります。
購入は初期コストが重いですが途中の契約縛りはなく、状況が変わっても資産として手元に残るという特徴があります。自社の運用ニーズに照らし、こうしたリスクとペナルティの面も考慮して選択しましょう。
5. 保守・修理・廃棄など“隠れコスト”
パソコンのライフサイクルには、購入代金や月額費用以外にも見落としがちなコストが存在します。保守・修理対応や廃棄処分にかかる手間・費用といった、いわゆる「隠れコスト」に目を向けてみましょう。
まず購入した場合、導入後の保守・サポートは基本的に自社対応となります。パソコンが故障した際の修理費用や、業務に支障が出る場合の代替機の手配など、すべて企業側で負担・対応しなければなりません。メーカー保証が切れた後の故障対応費用や、場合によっては新たな代替機の購入費も発生します。また、使用済みパソコンのデータ消去や廃棄処理も企業側の責任です。法人向けパソコンは産業廃棄物扱いとなり、廃棄業者に依頼して適切に処理する必要があります。HDD内の機密データ消去や法令に沿った廃棄手続きには手間とコストがかかるため、この点も購入時に考慮しておく必要があります。
次にリースの場合、保守・修理・廃棄に関わる負担は大幅に軽減されます。リース料金の中に動産総合保険や保守サービス費用が含まれている契約であれば、故障時の修理費用負担をカバーできる場合があります。実際、多くのリース契約ではメーカー保証期間を超えた故障に備えて保険加入がセットになっていることが多いです。
また、リース満了時の廃棄も、パソコンをリース会社へ返却するだけで完了します。使用済みパソコンの処分やデータ消去作業をリース会社側で対応してもらえるケースが多く、産廃処理の手間と費用を大きく削減できるのはリースの大きなメリットです。ただし注意点として、リース契約によっては故障時のサポートが有償であったり、初期不良以外は原則ユーザー側で修理対応が必要な場合もあります。リースは「借りるサービス」であって、レンタルのように常時無償サポートが付帯するとは限らない点に留意しましょう。必要に応じてリース会社から保守オプション(オンサイト保守や代替機提供サービスなど)を追加契約することも検討すべきです。
最後にレンタルの場合ですが、こちらはサポート込みのサービスと考えてよいでしょう。レンタル料には保守サポート費用が最初から含まれていることが多く、機器トラブル時にはレンタル会社が迅速に無償修理・交換対応してくれるケースが一般的です。ユーザー企業側で修理手配をする必要は基本的になく、代替機もスピーディーに提供されるため、運用中のトラブル対応負担は最も少なくて済みます。その分レンタル料金は高めですが、「壊れたらどうしよう」というリスク対応コストまで含めたサービスと考えれば納得感があるでしょう。
以上のように、購入は隠れコストが最も大きく、リースはある程度それらを平準化・外部化でき、レンタルは手厚いサポート込みという違いがあります。金額面の比較ではどうしても購入有利に見えがちですが、社内リソースやリスク対応コストまで考慮するとリースやレンタルのメリットも大きいことがわかります。「トータルでどれだけ手間と費用がかかるか」を把握した上で、自社に合った方法を選択することが重要です。
参考記事:古いパソコンを賢く処分!企業が守るべきルールと実践法を解説
法人向けパソコンリース利用の流れ
では、実際に法人でパソコンリースを利用する場合、どのような手順で進めればよいのでしょうか。ここではリース契約の一般的な流れを5つのステップに沿って解説します。
1. リース会社の選定・見積もり依頼
まずはリース会社選びから始めます。パソコンリースを提供する会社は多数あるため、1社だけで即決せず、最低でも3~4社程度の見積もりを比較検討することをおすすめします。各社ごとに調達できるパソコンのスペックや月額利用料、保守サービス内容、違約金条件、納期などを提示してもらい、自社の要件に合うか確認します。この際、単純に月額料金の安さだけで選ばないことも重要です。リース契約は一度結ぶと途中解約が難しいため、価格とサービス品質のバランスを慎重に見極めて選定しましょう。
また、リース会社によって扱えるパソコンの種類やメーカーに違いがある点にも注意が必要です。自社で「この機種を使いたい」という要望がある場合、そのモデルを調達可能かどうか事前に確認すると安心です。見積もり依頼時には、必要台数や希望スペック、契約期間などの条件を具体的に伝え、各社から提案をもらいましょう。
2. 審査の申請と契約締結
候補のリース会社から提案を比較し、条件に納得できるリースプランが見つかったら、与信審査の申請および契約手続きに進みます。リース契約は長期にわたる賃貸借取引となるため、契約時には金融機関による与信審査(信用審査)が実施されます。リース会社や提携する信販会社が、契約企業の財務状況や支払い能力をチェックするプロセスです。審査では例えば会社の設立年数・業績・財務指標・過去の支払履歴などが総合的に評価されます。
与信審査に通過したら、リース会社との間で正式に契約を結びます。この段階でリースの基本条件(機種・台数・月額料金・契約期間・リース開始日など)が確定し、その内容に従って後続の手続きが進みます。リース契約の場合、契約締結から実際のデバイス納品までは審査手続きや発注作業の分だけ時間がかかる点に留意しましょう。レンタルのように翌日すぐ使えるわけではないため、納期に余裕を持って進めることが必要です。
3. デバイスの発注・納品
契約が完了すると、リース会社は指定された機種・台数のパソコンをメーカーや販売代理店に発注します。リース会社が在庫を持っているレンタルと異なり、リースでは発注から納品までに一定の期間を要します。一般的には契約締結から納品まで数週間程度かかる傾向があるため、リース利用を決めたら計画的に申し込みを行いましょう。見積もり段階でおおよその納期を確認しておくことも大切です。
パソコンが届いたら、まずは発注内容通りの機種・数量が揃っているか、そして初期不良や破損がないかを確認します。リース会社指定の検収確認手続き(検収完了証の提出など)がある場合は、指示に従って速やかに行いましょう。問題がなければ受領の了承を伝え、この時点でリース契約上のリース開始日が確定します。
4. セットアップと利用開始
納品されたパソコンは、すぐ業務に使える状態ではありません。まず社内のIT担当者が各デバイスのセットアップ(キッティング)作業を行います。大量導入時にはこの作業にも相当の工数がかかりますが、社内リソースで難しい場合はセットアップ作業をアウトソーシングすることも可能です(別途費用)。
各デバイスのセットアップが完了したら、業務での利用開始となります。リース契約上は、前ステップで検収が完了した時点からリース料金の計上が開始します。つまり、デバイス受領後は速やかにセットアップと展開を行い、無駄なく活用し始めることがコスト面でも重要です。
なお、リース期間中に万一パソコンに不具合が発生した場合の対応フローも、利用開始時に確認しておきましょう。リース会社やメーカーへの連絡先、修理や代替機の手順を把握しておくと、実運用中のトラブルにスムーズに対処できます。
5. 契約期間の満了・パソコンの返却
定められたリース契約期間が満了したら、基本的にはリース対象のパソコンを返却します。返却にあたっては、パソコン内に残っている業務データをすべて消去し、アプリケーションや設定も含めて初期状態に復元する作業(原状回復)が必要です。数十台規模以上の大量返却となる場合、一台一台のデータ消去と梱包作業だけでも大きな負担になるため、計画的に準備を進めましょう。
なお、契約満了時にパソコンが社内に残らないため、次のデバイスの手配が必要になります。そのため多くの企業では、新たなリース契約で後継機種を導入し、古いリース品を入れ替える形でデバイスの更新を行います。リース満了→返却→新規リース契約というサイクルを回すことで、社内のデバイスを常に最新世代へ更新しつつ、コストを平準化できるわけです。もしリース満了後も同じパソコンを使い続けたい場合は、リース会社と相談の上で再リース契約や買取のオプションを利用できる場合もあります。
ただ、リース満了時には利用開始から3~5年以上経過しており、パソコンのスペック陳腐化や経年劣化も進んでいます。再リースや買取で使い続けるより、新規調達した方が得られるメリットも多いため、満了時には最新のパソコンへの更新も含めて検討すると良いでしょう。
法人向けパソコンリースを利用する際の注意点
最後に、法人でパソコンリースを活用する際の注意点をまとめます。リース契約特有のリスクや、事前に確認すべき事項について整理しました。以下のポイントに留意し、導入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないようにしましょう。
途中解約ができないリスクの認識
繰り返しになりますが、リース契約は原則途中解約ができない契約であることを十分認識しておきましょう。契約期間中に状況が変わり、「パソコンが余ってしまったので契約を終わりにしたい」と思っても簡単には解約できません。そのため、リースを利用する際は契約期間中、そのパソコンを使い続ける計画が確実にあるかをよく検討する必要があります。
もし将来的にパソコンが不要になるリスクが高い場合は、リースではなく短期レンタルや台数を絞った購入など、柔軟に対応できる手段も検討してみましょう。
費用総額と内訳の確認
リース契約を締結する際は、提示された費用総額とその内訳を必ず確認しましょう。月額だけに注目しがちですが、契約月数分の総額を合計すると購入費用を上回る可能性もあります。特に長期契約になるほど累計の支払額は大きくなるため、総支払額がいくらになるか試算した上で、その金額に見合う価値があるか判断することが重要です。
また、リース料の内訳にも目を通しておきましょう。一般にリース料金は本体購入費用+リース料率(利息)+保険料+保守費用+手数料などで構成されています。月額料金に何が含まれ、何が含まれないのかを理解しておくことで、後から思わぬ追加費用に驚くことを防げます。
さらに、リース会社によって契約事務手数料や、契約満了時の撤去費用などが別途設定されている場合があるため、初回に発生する費用や契約終了時の費用もチェックしておきましょう。
対象デバイスと調達条件の制限
リース契約を検討する際、どんなデバイスをリースできるのか事前に確認することも重要です。一般的にリースで借りられるパソコンは、デスクトップからノートパソコンまで幅広くカバーされています。周辺機器やタブレット端末などを取り扱うリース会社もありますが、対応範囲は各社で異なります。自社の必要とする機器カテゴリに対応したリース会社を選ぶようにしましょう。
また、リース会社ごとの調達条件も確認が必要です。前述のとおり、あるリース会社では複数メーカーの中から選べるのに対し、別の会社では特定メーカー製品のみ取り扱う、といったケースがあります。見積もり依頼時に希望スペックや機種を伝え、調達可否を確認すると安心です。
さらに、リース契約には基本的に新品のデバイスが対象となる点にも注意しましょう。基本的に中古品や手持ちのデバイスをリース契約に乗せることはできません。もし、コスト削減のため中古パソコン活用を検討している場合は、リースではなく中古購入や中古レンタル専門サービスの利用を考える必要があります。また、リース契約には最低契約台数や契約金額の条件が設けられる場合もあります。極端に少ない台数だと契約を断られたり割高な条件になるケースもあり得るため、事前に各社の利用条件を確認してください。
故障・破損時の対応
リース契約期間中にパソコンが故障したり破損してしまったりした場合の対応方法も把握しておきましょう。購入やレンタルと異なり、リースの場合は「借りているデバイス」であるため、修理対応一つとっても契約上の取り決めがあります。
基本的に、リース契約には故障時の無償サポートは含まれていないことが多いため、故障かな?と思ったらまず自社でメーカー保守や保証内容を確認し、必要に応じてメーカー修理に出すといった対応が求められます。リース会社によっては、修理期間中の代替機を有償貸出してくれるサービスや、包括保守契約をオプション提供している場合もあります。リース契約締結時に「故障時の連絡先はどこか」「代替機サービスはあるか」「修理費用の負担区分」などを確認し、必要なら保守オプションの追加も検討しましょう。
また、物損や紛失時の補償についても注意が必要です。リース料金に動産総合保険が含まれている場合、例えばパソコンを落下させて壊してしまったようなケースでも保険でカバーされます。しかし、保険未加入の場合や、重過失による破損など契約対象外の場合には、修理費用や残リース料を含め実費負担となる可能性があります。特にノートパソコンは持ち出しが多く破損リスクも高いため、故障・破損時の対応ポリシーを社内で周知しておくことが大切です。
リース満了時の返却準備
リース満了時の返却については前述した通りですが、その準備に関して改めて注意点を整理します。リース期間が終了したらパソコンを返却する前提で契約している以上、スムーズに原状回復・返送できるよう事前準備が欠かせません。
まず、データ消去の計画を立てましょう。専門のデータ消去ソフトを用いてストレージを上書き消去する、物理的に破壊するなど、社内ポリシーに沿った方法で対応します。消去漏れがないよう十分注意し、可能なら第三者の証明書発行サービスなどを利用してもよいでしょう。
次に、原状回復の範囲を確認します。「シールなど貼付物は剥がす」「増設したメモリやストレージは取り外す必要があるか」など細かな点もチェックし、デバイスを初期状態に戻します。多少のキズや使用感は通常問題ありませんが、明らかな破損がある場合は事前に修理しておいた方が結果的に安く済むこともあります。
そして、返送の物流手配も抜かりなく行いましょう。返却期限の直前になって慌てないよう、例えばリース満了の1ヶ月前には全デバイスのデータバックアップ・消去を完了させ、2週間前には梱包作業を始める、といったスケジュールで動くことが望ましいです。
最後に、返却時の費用負担についても確認ポイントです。送料や梱包資材費用はどちらが負担するのか、返却時に発生しうる費用について契約書に目を通しておきます。返却品がリース会社に到着し状態チェックが完了すれば、一連のリース利用は無事終了となります。
以上の注意点を押さえておけば、法人向けパソコンリースをより安心して活用できるでしょう。
法人向けのパソコンリースを賢く活用してITコストを最適化しよう
パソコンのリースは、上手に活用すれば企業のITコスト最適化に大いに貢献する手段です。初期投資を抑えて最新のIT環境を整えられるうえ、月額料金で予算管理がしやすくなります。さらに、リース会社にデバイス調達や廃棄処理の業務を任せられることで、情報システム部門の負担軽減・業務効率化にもつながります。
ぜひ本記事で紹介した比較ポイントや注意点を踏まえて、自社のIT調達戦略にリースを取り入れてみてください。必要なところに必要な投資を行い、リースを上手に活用して快適で効率的なIT環境を構築していきましょう。
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さらに、UTORITOには保守・修理費が含まれているため、基本的に追加費用は発生しません。
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